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会社を設立し自身で経営を行うと、その経営を行うために金銭の支出が発生します。この金銭の支出をまとめて経費といいます。
しかし、経営者自身が支払った全ての金銭が会社の経費として認められるというものではありません。会社の経費として認められないものを会社の経費として計上を行うと、虚偽の申告を行うことになりますので、様々なペナルティを課されます。
よって金銭の支出について、その支出が会社の経費に該当するかの判断を行うことは、経営者にとって非常に大切なことです。
それでは会社の経費として認められる金銭の支出とはどのような支出を指すのでしょうか?以下ではそのご説明をします。
経費として認められる範囲
事業に関連するもの
経費として認められる支出とは事業に関連する金銭の支出をさします。
例えば書籍の購入を行った場合、経営者自身の趣味であるミステリー小説を購入した場合は、その書籍代は経費として認められません。この書籍が事業の展望を画策するため参考にしようとした業界誌や、経理を行うために簿記を勉強しようとした参考書はミステリー小説と同じ書籍代でありながら、経費として認められます。
このように、同じような物、同じような購入先であっても、事業に関連する支出かどうかで、経費として認められるかの判断を行います。
また金銭の支出がなくても経費として認められることもあります。
例えば車の購入を行った場合、経営者自身の私生活のみに使用する自家用車を購入した場合は、その車両代は経費として認められません。
この車が事業のみに使用する営業車や貨物自動車であれば、その車両代は資産計上をすることが認められます。車両代の全額が資産に計上されますが、購入時点では全額を経費として認められていません。
車のように長年に渡り使用できるものは減価償却という計算方法により経費に認められる金額を算出します。資産には何年使えるかを表した耐用年数というものがあり、減価償却はその耐用年数に基づいて計算することになります。
簡単に耐用年数期間に応じて償却額を求める方法をご説明します。
会計期間:1月1日~12月31日
購入資産:車両
購入金額:600万円
耐用年数:6年
購入日:1月1日
1月1日には600万円の支出があり、その時点では資産に600万円が計上されます。
そして1年間事業に使用した決算期にこの600万円の1/6である100万円が減価償却費として経費計上されます。600万円の支出がありながら、経費として認められるのは100万円となります。
そしてその翌年の決算期では既に車は購入していますので、支出はありません。
しかし耐用年数期間に渡り減価償却は行われますので、翌年も経費として100万円が認められます。
このように金銭の支出のない経費もあります。この場合も事業に関連したものであることが大前提です。
事業に関連したものかの判断基準
事業に関連したものかどうかの判断基準は、明確にはありません。同じ支出であれば、認められるものは全て経費として計上したいという経営者が多いです。
これは会社が納めるべき法人税額のことを考えると、経費を多く計上し、利益を少なくして納めるべき法人税額を少なくしたいと考える経営者が多いためです。
しかし経費を多く計上しようとするあまり、明らかに事業に関連しない支出を経費として計上するのは良くないです。
一般的に妥当と思われる金額、また税務署などに内容を問われても答えることの出来るやましくない支出であり、かつ一般的な常識の範囲で事業に関連したものかのどうかの判断を行いましょう。
事業に関連していても注意をするべき支出
これは海外渡航費など事業に関連しているものか領収書だけでは判断のしにくい高額の支出です。
この海外渡航費が事業に関連しているものであり、経費として認められるようにするためには、同行者や旅程、また渡航内容のレポートを残すことをお勧めします。なるべく事業に関連しているという証拠を残すということです。
このように領収書だけでは判断しにくい高額の支出があれば、領収書以外にも関連する証憑類を保管しておくと良いです。
高額の支出は資産計上をする必要がある
上記の例で挙げた車のように、固定資産に該当するものは支出を行った際には資産計上をし、経費として認められるのは経過した分の減価償却費のみです。
とはいえ、高額な支出であっても金額により必ずしも減価償却をしなくてもよい場合があります。どのような場合に減価償却をしなくてもいいのか金額別にみていくことにしましょう。
10万円未満
10万円未満の支出であれば、経費として認められる支出を行った際にはその全額が経費として計上が出来ます。
例えば8万円のモニターを購入した場合、このモニターは複数年に渡り使用できるものですが、購入時にこの8万円全額を消耗品費として経費に計上することが出来ます。
10万円以上20万円未満
10万円以上20万円未満の支出でかつ固定資産に該当するものであれば一括償却資産として取り扱います。
一括償却資産とは通常の減価償却と異なり、使用した年以後3年間の各年において均等に償却を行い、その支出をした金額の1/3ずつを経費として計上することができるものです。
例えば18万円のパソコンを購入した場合、支出時には18万円を備品として資産計上をし、1/3の金額である6万円が減価償却費として経費として認められる金額となります。
またこの金額の場合は下記の少額減価償却資産としての処理も選べます。
20万円以上30万円未満
10万円以上30万円未満の支出でかつ固定資産に該当するものであれば少額減価償却資産として取り扱います。
この少額減価償却資産として取り扱えるのは、中小企業に限ります。中小企業とは資本金の額又は出資金の額が1億円以下の会社、資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の会社です。
少額減価償却資産とは支出を行った際に、少額減価償却資産として処理する金額が年間300万円未満であれば、全額を経費として認められます。
例えば27万円の生産設備を購入した場合、支出時に機械装置として資産計上をして耐用年数に応じて減価償却を行う方法と、一旦は資産計上するものの、その全額を減価償却費として経費計上する方法とが選べます。
経費の計上はバランス感が大切
経費を多く計上するということは支出が増えるということ
経費の計上の多くは金銭の支出を伴うものです。よって経費を増やそうとすると多くの支出が伴います。納めるべき法人税額を減らそうと経費を増やそうとするあまり、資金が不足してしまっては、会社の事業そのものが厳しくなります。
経費を増やそうと本来事業に必要ないものに対してまで支出を行う必要はありません。節税への意識ばかりではなく資金繰りとのバランス感を持つことが大切です。
法人税額を少なくすることで資金の節約になるのか
経費を増やして赤字にし、法人税額を発生しないようにすると、税額に対する支出は抑えることが出来ます。しかし会社全体として資金を貯めるのには遠回りの策です。
基本的に利益というのは生み出されたお金と同義ですので、そもそも赤字だとお金が溜まっていないことが明らかです。過度な経費支出や節税対策をせずに適正な利益額に対して納税を行う方が、会体の資金繰りは向上します。
このように税額を抑えることだけが、資金の節約になるとは限りませんし、その点のみに固執するのはお勧め出来ません。
まとめ
経費として認められるかの判断は迷う事があるかと思います。しかし事業に関連するとはっきり証明できるものであれば税務調査で指摘をされても困ることはありません。
判断に迷うものがあれば、是非弊社にご相談ください。適切な処理方法をアドバイスさせて頂きます。
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