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愛知岐阜三重
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日本政策金融公庫では企業や個人事業主に対して融資する際、面談を行います。
そこで絶対に抑えておきたい4つの項目を紹介します。
「この人にお金を貸しても大丈夫なのか」という判断ポイントになるので、しっかり答えられるように対策が必要です。
1.資金について
資金については、必ず面談で聞かれる項目です。
計画立てて資金を貯めていたという経緯を見せないといけませんので、数年前から貯金してきたということがわかるような履歴を残しておきましょう。
資金に関しては計画立てて貯めたお金なのか、まっとうな人間から融資してもらったものなのかもチェックしています。
一時的な収入であったり、知人から融資された「見せ金」の心証はよくはありません。
あくまでも自分がどのようにその資金を貯めたのかを重視しています。
また面談では、資金が正当なルートで資調達できている、ということをアピールする必要があります。
とはいえ、日本政策金融公庫では通帳の提出が義務となっていますので、どのように資金を確保したのかは一目瞭然ですが。
自己資金は必ずしも多くなければ審査に通らないという事ではありませんが、多ければ多いほど審査には優位に働きます。
自己資金の割合は平均で22%です。
例えば、500万円の融資を受けたい場合に用意する自己資金額は110万円という計算になります。
参考に、他の方はどれぐらいの融資を受けているのか紹介しましょう。
日本政策金融公庫では、実際に融資した額を発表しています。
300万円以下の融資:33.9%
300万円以上500万円以下の融資:19.9%
500万円以上800万円以下の融資:13.6%
800万円以上の融資:32.6%
(平成27年度データより)
2.事業戦略をしっかりと伝える
自分が行おうとしている事業が、どのぐらいしっかりとしたコンセプトがあるのか、戦略があるのか伝える必要があります。
「自分の気持ちだけを伝えるのではなく、競争相手を意識した戦略」を伝えるのがポイントです。
例えば、ラーメンの強豪地域で後から出店しても、なかなか利益を生み出すのは難しいです。
その中から生き残っていくには、「他店にはないラーメンを作る」、「他店にはない価格帯での販売を検討する」といったことが必要になってきます。
面談では、資料などを持参しても問題ありませんから、計画していることがあれば積極的にアピールしてみましょう。
オープン記念のチラシ作成、クーポン作成、ポスター作成、イベント案内、Webページの開設など。
また、こういった販促を行い、「どの程度の反響や売り上げがあったか今後データ化する予定」と伝えれば、「この人は計画をしっかりと立てて事業を行おうとしているな」と解釈されます。
そして計画だけでなく、過去の経験を伝えるとさらに印象が良いです。
「2年前にレストランを経営していた時、チラシによる販促を行いました。
その時に配布した枚数は5000枚だったのですが、チラシについたクーポン券を利用した方は50人ほどでした。
その経験からチラシを配布すると1%程度は反響があり、利益につながることも分かりました。
もちろん立地条件や提供するものによってその反響に差があると思いますが、同業態での開業なので、そこまで大きな変化はないものと考えています。」
このように実績があると、説得力が増します。
「企業努力をして、売上アップにつながる戦略を立てている」と解釈してくれます。
3.売上と経費の根拠を伝える
事業開始前とはいえ、売上や経費に関してはできる限り根拠のある数字を提示することが大切です。
特に経費は予定している仕入れや設備投資、人件費、それ以外の実際にお店を運営に必要なお金は予測することができます。
大きな設備投資なら見積書は必須となります。
費用の一例
- 集客のための販促費(無料広告マガジンや新聞の折り込みチラシ等)
- 燃料費や運送代
- 人件費と社会保険料など
保守的な観点から自分が想定しうる経費を全て計上しておくことがポイントと言えます。
そして売上に関しては、決して理想ではなく、現実的なものかどうか、実現可能かどうかを基に考えてください。
同じような条件の店舗データを参考に伝えると信憑性が増します。
具体的には、下記のようなデータが参考になります。
売上計上に必要なデータ
- お店のジャンル
- 最寄駅からの距離
- 最寄駅の利用者数
- 店舗の席数
- 営業時間
- 近隣の競合他店の店舗数
例えば、自分のお店の開業場所が名古屋なのか、栄なのかによって集客数や売上が大きく異なります。
自分が創業しようと思っている条件と似たような店舗の収支を調べて(予想し)、そこから売上や経費がどれ位になのかを考えると、非常に現実的な数値を算出することができます。
4.事業がうまくいかなかったときの対策
事業がうまくいかないなんてことは、どんなお店でもあり得ます。
むしろ、創業当初からうまくいくほうが少ないです。
創業して半年から10ヶ月程までは赤字状態が続くケースも多いですし、そして1年経って倒産に追い込まれてしまう企業も6割ほど存在します。(総務省統計より)
もちろんお金を貸す側の日本政策金融公庫もそういったことは理解していますから、その部分に関して指摘されることはありません。
ただ、「事業がうまくいかないときにどのような対策を考えているか」は、審査の判断材料となります。
自転車操業をしていたら、いつか店をたたむことになることでしょう。
大きな借金を抱えないために、どのような工夫や対策があるのかが大事になってきます。
そこで必要なのは下記のような対策です。
・コスト削減対策
・近隣ライバル店舗のリサーチ
・販促効果測定
・リピーター率検証
例えば、近隣の自分と同じジャンルのお店はどんな価格設定になっているのか、どんな種類の商品を扱っているのかを調べます。
そしてその情報を踏まえた上で、商品の価格を下げるのか、ライバル店にはない商品を取り扱うのかなど集客の方法も検討しなければなりません。
その上でアプリやチラシなどを利用して販促を行い、どのような効果が得られたのか分析し、リピーター率を上げるような対策を行うといった感じです。
ポイントは「ただ単にお店を営業するのではなく、より効果のある方法はどんなものか、と常日頃から分析する予定がある」と伝えることです。
しっかりとしたリスク管理は審査に有利に働きます。
まとめ
以上、日本政策金融公庫で融資を受ける際、面談でのポイントを紹介しました。
全体を通して、曖昧な部分やしっかりとした説明ができない部分があると審査に通りにくいという事ができます。
信頼できる人にお金を貸したいわけですから、その部分がしっかりと説明できれば、審査に通る可能性は高くなります。
審査は一発勝負です。
書類審査と面談を経て、最終的な融資の合否判断は約2週間後になります。
(落ちてしまった場合の再審査は6月経過後から可能です)
とはいえ、6月後に再申請したとしても、資金の調達方法や事業計画がしっかりと行われていない場合は融資の可能性は低いです。
融資は一発勝負と考えましょう。
その1回の機会を掴めるか否かで今後の結果が左右すると言っても過言ではありません。
当事務所は、単発の融資案件のご依頼も多く、しっかりとしたサポートが可能です。
2017年の実績でいえば、95%以上の成功率で融資を受けることが出来ています。
これから開業するにあたっての最初の関門ですので、躓くことのないようにアドバイスできれば幸いです。
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