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名古屋会社設立相談所

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会社設立の豆知識
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名古屋の会社設立

 会社を設立し、従業員を初めて雇用する際は会社の成長を実感されることと思います。従業員を雇う必要があるほど業務量が増え、かつ給与の支払いが可能である資金があるということは、会社の業績があってのことでしょう。

 今回は初めて従業員に給与を支払う際の注意点をご説明いたします。

給与の締め日、支払日を定める

 給与を支払うためには、従業員の労働時間の集計期間である締め日とその集計結果を従業員に金銭として支払う支払日を定めなくてはいけません。一般的には毎月それぞれ特定の日を定めます。その定め方には下記のような注意点があります。

締め日から支払日までの期間を短くし過ぎない

締め日から支払日までの期間が短い場合は、給与計算を行う期限が短くなります。給与計算は労働時間の集計の他に、源泉所得税や社会保険料、住民税の確認など様々な作業を伴います。

また銀行振込で給与を支払う場合には、銀行に振込依頼をしてから給与が従業員の口座に入金されるまで日数を要することもあります。どのような事由でも支払日までに従業員の手元に給与を支払えないとなると、従業員からの信用が失われてしまう可能性があります。

締め日から支払日までの期間に余裕をもって、それぞれの日付を定めると良いでしょう。多くの会社は両者が覚えやすい0や5がつく日、月の末日を締め日や支払日にしています。

資金繰りを考慮した支払日にする

 毎月の会社経営の中では、会社の手元にある資金が多い日、少ない日といった変動があることでしょう。例えば毎月15日に買掛金を支払い、月末に売掛金の入金がある会社は、15日から月末にかけて資金が少なくなりやすく、月末以後の月初めに資金が多くなりやすくなります。

 このような資金繰りが毎月想定出来る場合には、資金が多くなると予測される期間に、給与の支払日を定めると良いでしょう。

 資金が不足し給与を支払えない、又は給与を支払うためにその他の経費を支払えないなどといったことが無いように考慮しましょう。

賞与の支払いは義務ではない

 給与の額や締め日、支払日などの他に賞与の有無を求人の際に記載を求められることがありますが、賞与の支払いは義務ではありません。

 給与は都道府県により最低賃金が定められており、一定以上の額を支払う必要がありますが、賞与は会社の規則により定めることが出来ます。会社の規則である就業規則を作成する際に賞与は業績連動である、といったような記載をすることで、毎年一定額以上の賞与の支給を確約しないようにすることが出来ます。

 義務ではありませんが、賞与の有無や多寡が給与の額と同様に従業員の労働意欲を左右します。賞与を支給する場合には、給与と同様に日付や資金繰りを考慮しながら締め日と支払日を定めると良いでしょう。

源泉所得税の納付義務が発生

会社は源泉徴収義務者となる

従業員の給与を支払う際には、会社は従業員の給与に対する源泉所得税を計算し、給与より天引きします。その天引きを行った源泉所得税を従業員の代わりに国に納める必要があります。この天引き行い、代わりに納付する義務を源泉徴収義務といいます。

源泉所得税の納付期限は原則毎月10日

 源泉所得税の納付期限は、原則として給与等の支払いを行った日の属する月の翌月10日です。よって従業員を雇用し毎月給与を支払うようであれば毎月10日が納付期限となります。

 この期限は原則であり、常時雇用する従業員が10人未満である会社が源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請を行えば、その納期を半年に1回にすることが出来ます。

 納期の特例を適用した場合は、1~6月に支払いを行った給与に関する源泉所得税は7月10日、7~12月に支払いを行った給与に関する源泉所得税は翌年1月20日が納付期限となります。

 従業員が10人未満である会社はどちらの納付期限も選択できますので、事務手続きの頻度は多いが1回の納付金額が少ない方が資金繰りの観点からやりやすいと感じるようであれば毎月納付を、1回の納付金額は多いが事務手続きの頻度の少ない方が作業負担の観点からやりやすいと感じるようであれば半年納付をおすすめいたします。

年末調整を行う必要がある

 年末調整とは従業員の源泉所得税の1年間の総決算を行う作業です。月々の給与から天引きされる源泉所得税はその都度正確な金額を計算しますが、その計算には所得税の控除対象となる保険料控除や住宅ローン控除を加味することは出来ません。

 また扶養親族に変更があった場合、遡って支払い済みである給与に対する源泉所得税の再計算を行うことはありません。よって年末にこれらの内容を含めて改めて従業員が1年間に支払うべき所得税額を決定します。

 1年間に支払うべき所得税額が、1年間給与より天引きしていた源泉所得税の合計より少なくなれば還付を、多くなれば追徴を会社が行います。

 従業員にその他の収入がある場合や、医療費や寄付金などの年末調整では控除のできないものを申告したい場合は、年末調整を受けても従業員自身で確定申告を行い所得税の年税額を改めて決定する必要があります。

 確定申告を行わない従業員は年末調整が所得税の年税額を決定する唯一の手続きとなりますので、会社は慎重にこの作業を行う必要があります。

社会保険の加入義務

社会保険の加入の届け出

 社会保険には健康保険、介護保険、年金保険、雇用保険、労災保険があります。これらの加入にはそれぞれの運営団体に届け出を行う必要があります。それぞれの社会保険には従業員の雇用形態により加入要件が有りますので確認のうえ届け出をします。

 健康保険、介護保険、年金保険は会社により加入することのできる運営団体が異なりますので、その団体に加入方法を問い合わせると良いでしょう。

 雇用保険、労災保険の運営団体は厚生労働省です。厚生労働省の管轄するハローワークにて手続きを行います。

給与を支払う際には天引きをする

 会社が支払う社会保険料は、会社負担分と従業員負担分があります。この従業員負担分の金額は給与より決定し、その給与から天引きを行う必要があります。

 源泉所得税と同様に、給与から天引きしたものを一時的に会社が預かり、納付を行う必要があります。

毎年の改定に注意

 社会保険料の計算は、社会保険の種類により異なりますが、多くの社会保険料は給与の金額に対して一定の料率を乗じることで計算をされています。よって従業員の給与に変動があれば、社会保険料の金額は変更となります。また乗じる料率も社会情勢に連動してほぼ毎年変更があります。

 よって毎月同じ給与を支払っていても、社会保険料の金額は変更がある可能性があるため、給与計算の際には常に加入している社会保険運営団体の最新の情報を確認する必要があります。

まとめ

 このように、従業員を雇用し、給与を支払うようになると様々な作業量が増えます。その内容は従業員からの信用の確保のためにも慎重に行うべき作業ばかりです。また給与以外に社会保険料の負担が生じ、作業量のみならず金銭の負担も大きくなります。

 しかし会社の成長には人材の確保が欠かせない場面が多くあります。
 弊社では会社の業績を分析しながら、給与や社会保険料の人件費にどの程度資金を充てられるか、給与計算はどのように行うべきかなどのご相談を承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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